2020年、東京でもコロナが流行りだし、保育園が春に突然閉まることになった。私は毎日息子と家で過ごすことになった。
私たちが住む家は、かつて祖母が住んでいた、東京では今では珍しい古い家。息子と平日毎日一緒にいることはもう２度とないかもしれない。
そう思い、私はライカM6を片手に息子を撮影し始めた。
時間が経つと、息子は自分で一人で楽しい遊びを家の中で見出し始めた。
お庭ではおもちゃの車を通らせる道路を作ったり、工事現場を作ったり。
木々やお花は昔祖母が植えたもの。梅、桜、椿、皐月などが、次々に咲いていった。
彼にとってはお庭と家はすぐに楽園となった。そしてあっという間に６月梅の実がなる時期となっていた。
淡々と着実に変化していく庭の生命力。
世間はコロナ自粛中大変な状況であったけれど息子は毎日精一杯生きていた。
素敵な家を残してくれた、亡くなった祖母への感謝が溢れ出た。