1948年生まれ1968年 武蔵野美術短期大学商業デザイン科中退1980年 広告制作プロダクション株式会社アドテクニカ設立1990年 アートディレクター兼CI導入コンサルタント2016年 京都大学通信学部写真コース在学 Phatophoto,赤城耕一、タカザワケンジ氏ワークショップ他受講静岡市在住
呼応する点景
撮影は会話であり写真はその履歴である。
こちらを振り向かせる奇妙な気配に気づき、その何ものからくる印象を確認する。光、フォルム、構図、色彩、経過した時間、それらが発する意味を読み、カメラを構え対象をフレームに収める。私にとってのストリートスナップでは、それが一連の瞬時の作法となる。
さてパソコンに取り込まれ切り取られた一断面は、現像ソフトの中で写真として相貌を浮かび上がらせる。経過した時間の痕跡の中に思いもしない現象を発見することもある。全体、細部を見渡し修正を加えながら、私を引きつけたモノ、そこに留められた時間と意味を問いかける。そのように撮影と現像処理の作業を通して私の写真作品は完成していく。映し出された写真は作者と対象との呼応した履歴である。
下村 岳雄